騎士戦争


ほんのちょっとしたことだ、これは


恐らくはさして気にもならない弱点


いや、弱点ともならない欠点のはずが


「刺される前に刺す。だって俺はまだ見つけてないのだから」


クロスにとっては最大の好機に見えた


獅子と獅子

同じ強者(種族)が対立する時、勝敗など決しない

しかして、“立場”が違うのであれば話は別


マイナスが小さくとも、それに縋るような次元の戦いで


「あんたみたく俺は誇りある生き方をしていきたい……!今は泥の道しか行けない汚い存在だが、俺は絶対!」


打ち勝とうとしたのは金髪の獅子だった


話というよりは、自身への暗示らしくただ声をあげる


男も男で何か言っていたみたいだが、そんなことに構ってはいられなかった


その体、死に体


疲れがたまりにたまり、立っているだけでもやっとの状態


そんな中で打ち放つ剣はヒビが入るほどに持ち主と同じ現状だった


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