騎士戦争
辺りにはちらほらと人が目に入ったが、今にも死にそうな輩ばかりだった
だが、決定的な事実もある
――勝った
オリジンの兵に勝利したのはこちらだと、横たわる死体が教えてくれる
ここまで進んだのも、途中オリジン側に何らかの事故があったから
もっとも
「やあ、随分と殺したようだね」
事故という名の他殺であることをクロスは知っていた
雨の中でもよく通る声の主――ビギナーが何人かの兵を連れてそこに立つ
「……っ、他のはどうした」
「そう言わないでおくれよ。目的――相手の大将抹殺は遂行したんだから。ああ、彼らは尊い犠牲だったなぁ。
その犠牲故に、こうして私たちは生きていられるのだから」
言葉と顔が一致していなかった
面白おかしく語り、足元には部下の亡骸
「黙祷は先ほど済ませた。さて、では。死んだ者たちの意志を持ち、我らはこれからも生き続けよう」
踏みつける
生者の死者への手向けと言う言葉は立派だったが、行いからしてみれば