騎士戦争


「いつまで感傷に浸っているのだい?よく見なよ。ただの肉だよ、これは」


「お前……!」


思わず、縮こまっていた体を正す


あまりにも非情だと相手を蔑めむ眼差しに、ビギナーは笑った


「君は牛肉を食べる時も感傷に浸るのかい。死んだ者はいくら人間でも、固有名詞は死体という名の肉になり。

意味があった器も、意志がなくなった瞬間に意味を持たない」


分かるかな、と死体を踏みつけながらビギナーはクロスに近づいた


理はかなった言葉

死んだ者にいちいち未練を宿しても届かぬ思いだと知っているが


「ふざけんな、死神!死んでいった後まで酷な仕打ちをする必要がどこにある!」


赤い外套を掴み、刃向かった


――そこで


「…………ぇ」


訳が分からなく、なった


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