騎士戦争
認識した鎌
体に刺さり
吐血した自分
崩れまいと赤い外套にしがみつき
「やはり君の血は格段に温かい。格別だよ、死ぬ様が。可愛い顔で憎しみを語れるのだから」
笑う死神
ソレが語るようにクロスは憎しみを宿していた
なぜ、刺されたのなんか知らない
分からないが、死にたくないという意志は残っていた
「あ、ああぁぁ!」
斬る
手元に残った――最後まで自分に付き合ったそれで相手を斬った
但し、深くはない
斬れたのは胴体だが、死に物狂いの振りでは当たり前のように外れる
当たったのは奇跡か、または
「さあ、フィナーレを飾る獅子よ。思う存分、泣いて喚いて、剣を掲げるがいい!」
故意だった、斬られたのは
両者、体がよろめいた
どちらも斬られているこの光景
端からみれば、この部分だけではどちらが“先にやった”なんて分からず