ストラップ

翌日、あたしは将に会った。

「ハイコレ!昨日のストラップ」

「あぁ、ありがと」


将は嬉しそうに笑ってくれた。
童顔な将の笑顔は、少年のようで。
顔が整っているから、尚更素敵だと思う。…ノロケかなあ?


「漣」

名前を呼ばれ、顔を上げた時、将に口付けられた。
よくわかんないタイミング…。


「何」

あたしが口に付いた唾液を拭きながら言うと、


「や、何でも?」

と、鼻で軽く笑いながら言われた。


コイツはよく、鼻で笑う。

常にポーカーフェイスの無表情で、雰囲気も態度も人を挑発させるように感じられるから、
よく夜なんか、絡まれる。

本当は暴力も不良も嫌う、心の優しい人なんだけど。
外見は仕方ないね。


逆にあたしの方が不良に近く、あたしと仲の良い男は学年一の不良だったりする。

しかも呼ばれ方は「さん」付け。
町中なんかで頭下げられて挨拶されるから、周りの他人からは敬遠の眼差し。

変なの寄ってこないから、いいけど。


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