姫のさがしもの。


その現実に

急にドキドキしてきた。




今、わたし…

宮岸さんの体に

ぴったりと触れている…。





うれしさと恥ずかしさで

心臓が大きな音を立てて、

鼓動しはじめた。





もう眠さなんて

すっかり吹き飛んだ。





でも…

離れたくない。





もう少し…


もう少しだけ
こうしていたい。




…私は寝たふりを

密かに続けた。




彼の背中の温もりを

独り占めしながら。
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