姫のさがしもの。


辺りは急に
暗くなってきた。


夕陽が沈み、

そろそろ夜に
なってきた。



もう午後7時。


「帰ろっか」


宮岸さんがそう言ったので

私は頷いた。


立ち上がろうとした私を
宮岸さんは

ぐいっと引き寄せて
強く抱きしめた。


「今日も楽しかった」


彼は、私を抱きしめたまま、

耳元でそう囁いた。




…宮岸さんは狡いな。


私、キスしてくれなくて
ちょっぴり
落ち込んでるんだよ?


でも、そんな風に
抱きしめられたら

今日のところはいっか
なんて、満足してしまう。



…次は、
キスしてくれるよね?
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