姫のさがしもの。
「宮岸さん。
俺が姫夏を幸せにするって
言ってくれるまで
私がんばるよ」
私はそれだけ最後に
告げて、
「そろそろ出よう」
と、彼に言った。
彼は
「そうだな」
と言って、
私を抱きしめた。
…なんで、この流れで
彼は私を
抱きしめられるかなぁ?
苦い感情を殺して
彼を抱きしめ返すと
宮岸さんは
「姫夏。
ほんとに好きだから。」
そう答えて
私からサッと離れた。
彼の真意は
よくわからないや。
何も考えてないのか
考えが深いのか…
でも
気にするのはやめた。
しばらく、
このままの関係でいるって
決めたんだから。