姫のさがしもの。
服を着替えて、家を出た。
宮岸さんの車に乗り込むと、
彼は一言。
「しんどくないか?
車酔いしたら言ってね」
そう言って、
私の髪をひと撫でして
アクセルを踏んだ。
10分程して、到着したのは
『立花メンタルクリニック』と
書かれた病院。
「メンタルクリニック…?」
私が聞くと、
宮岸さんは
「うん、たぶん
姫夏の病気は
精神的な病気だと思う」
と、答えた。
…精神的な病気・・・
私が…!?
そんなの認めたくない。
私はいつだって
元気が取り柄で、
タフで丈夫だから。
…とりあえず、
彼に手を引かれて
医院に入った私。
彼と隣に座って
先生に呼ばれるのを
じっと待つ。
テーブルには
『うつ病がわかる本』
『睡眠のとれない方へ』
『ストレスからくる病気』
なんていう冊子が
たくさん置かれている。
なんだか、場違いなところに
来てしまったような
違和感。