姫のさがしもの。


…クスリが効いてきたのか

宮岸さんの言葉に
安心したのか


どっちかわからないけど、
私は苦しくなくなっていた。


「宮岸さん!

なんか元気になってきたよ。

ほら、そろそろ
宮岸さん、会社にいかなきゃ!

私、ほんとに
もう大丈夫だから」


そう言うと宮岸さんは


「おっ。

ちょっと顔色が
よくなってきたね。

クスリが効いたかな?

じゃあ、俺いくわ。

姫夏、家まで
送ってくよ」


そう言って、
店を出て
私を車に乗せた。



家に送り届けてもらった私は

ひとりっきりの家の中
ボーっと
天井を見つめて

ソファに座っていた。




…半年も患う

病気かぁ・・・
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