姫のさがしもの。


携帯電話を開くと
2件のメールが。


『風邪か?

無理せずゆっくり寝ろよ!
仕事のことは気にせずな!


坂井』


坂井課長からの
優しいメールだ。



…明日、坂井課長には
病気のこと、
きちんと話さなきゃ。



もう一件は誰からの
メールだろう?



『姫夏。

しんどいの治った?
心配だよ!


栄太』



…栄太からだ。


『しんどいの治った?』か…。

半年もかかるんだよ?

治るわけないじゃん!


なんだか、苛々する。



心配してくれるのは
ありがたいんだけど

栄太は、宮岸さんみたいに
家まで来てくれたり
病院につれていってくれたりは
しないんだね。


なんだか、当り前の
反応なんだろうけど

宮岸さんと比べてしまうと
やっぱり栄太は
頼りなくて。


私は返信も返さずに
ベッドに潜り込んだ。




…私のこと
大切にしてくれてるのは、
栄太の方だと思ってた。

だけど

実は、宮岸さんの方が…?



…わかんないや。



私はそのまま
目を閉じて、眠りについた。
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