姫のさがしもの。


また眠りについた私。




―数時間経った頃


また携帯電話の
バイブがうるさく
鳴り始めた。




ヴーヴーヴーヴー



「…もー、うるさいなぁ…」



ノソッと起きあがって
携帯電話を確認する。




鳴り続けている携帯電話は

宮岸さんからの電話だった。




「は、はい!

もしもし?宮岸さん!?」


慌てて電話に出る私。



「姫夏?

なんか寝起きっぽいな。
寝てた?

起こしてごめん」



…宮岸さんは
なんだってお見通しなんだ。



「ううん、起きてた!

どうしたの?」



私は嘘をついて

宮岸さんに気を遣わせないよう
ことさら元気な声で答えた。



「姫夏。無理しなくていいよ。

発作は出てないか?」



「うん、ゆっくり眠れたから
大丈夫!

なんかこのお薬
すっごく眠くなるの」



「眠れないよりは、よかったな。

じゃあ、俺、
今からそっち行くけど

まだ30分ぐらい
かかるから
もうちょっと寝てていいから。」



「うん、ありがとう!

待ってる!」



電話を切ってから

私は嬉しくて
眠れなかった。




…また、宮岸さんが
うちに来てくれる!
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