姫のさがしもの。
図星を言い当てられた私は
あまりにも驚いてしまって
暫し、沈黙。
「・・・・・。」
そんな私に
栄太は悲しい目で問う。
「宮岸さんと
付き合うの?」
…宮岸さんの名前が
栄太の口から出たことに、
私はかなり驚いてしまった。
「…っ!
宮岸さん…?」
バレてたの!?
「いや…
なんとなく」
栄太のその言葉に
冷静さを取り戻す私。
バレてる訳じゃ
ないらしい。
そう、
私は宮岸さんが好きだけど
栄太にそんなこと
絶対言えないし
絶対に、言わない。
「そ…そんな訳ないよ!
栄太のことがただ
今まで通り愛せなくなったの」
強い語調で答える私。
「…そっか。
よかった…」
…何がよかったのかな。
宮岸さんを
好きじゃないって
私が言ったから?
私が黙っていると
栄太はため息を
大きくひとつついて
「もうダメか、俺たち」
と、独り言のように
弱々しく呟いた。
栄太は、ゆっくりと
顔を上げて
私に向かって
ハッキリと言った。
「俺たち、別れよう」