姫のさがしもの。
贈り物


―――「優希、キモイ!」



優希が余りにも
ニヘラ〜と気味の悪い笑みを
漏らすので

ついつい暴言を
吐いちゃったじゃん。



「だってさー

嬉しいじゃん♪

お互い幸せになれてさっ!」



優希がグラスを
突き出してくるので

私は今日3度目の
乾杯をした。



「はいはい、カンパーイ」


カチンとグラスを
合わせる音と

優希の不気味な
「んふふふふ〜」
という笑い声が重なった。



…優希が『お互い』と
言ったのは

優希にもようやく
春が訪れたから。
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