姫のさがしもの。
妄想
「お、きたきた〜!
おせぇよ北川!」
ようやく到着した私が
姿を見せるなり
上司の坂井(サカイ)課長が
大声で私を呼んだ。
「す…すみません
仕事終わんなくて…
と、とりあえず
原稿は入稿して…」
「いいよ!
仕事の話はさぁ!」
肩で息をしながら答える
私の言葉を遮って
坂井課長は、
空席を指さして
「まぁ座れよ、
電通堂さん
待たせてんだからさ」
と私を座らせた。