baby love
「はあ……」
知らず知らずのうちに重いため息をつきながら席についた。
そんな私のもとへ美月ちゃんは小走りでやってきて、首を傾げる。
「どしたの?元気なさげじゃん」
「んー…そう、かな」
「顔。笑ってるけど引きつってるよ」
「えっ」
言われてぱっと両手で頬をおさえる。
ちゃんと笑えたと思ったんだけどな…
うまく笑えないくらいに、私、ショック受けてるってこと?
「…ね、もしかして」
考えこむ私をじっと見つめて、美月ちゃんが口を開く。
そして
「桜田くんが原因…なの?」
いつ、気付いたのか。
もしかして昨日…至近距離にいた私たちを見たのだろうか。
美月ちゃんは見事に、図星をついた。