baby love
「ち、ちがっ…!」
慌てて美月ちゃんの口を抑えようとするとその私の腕をがしりと美月ちゃんが掴む。
そしてぐいっとそのまま私を引き寄せて。
「だって昨日。こんなことしてたじゃん」
鋭い目。
見られてたんだ…!
言葉をなくす私に、美月ちゃんはさらに瞳を細くする。
「…ちゅうしてたの?」
「まさかっ!!!」
ここ最近で1番大きな声が出た。
周りが一瞬にしてこちらを注目したのが分かって、顔がボッと熱くなって俯く。
私の大声に目を大きく見開いた美月ちゃんはぱっと私の腕を離した。
「…び、びっくりしたあ」
「ごめん…私もびっくりして」
「ううんあたしも…。でも安心した」
「え?」
思わず聞き返すと美月ちゃんはにこりと笑う。
「桜田なんかにあたしの愛菜ちゃんを取られたくないし?」
「……………」