baby love




「………へえ」



昼休み。

色々心配をかけてしまった私は、午前中の出来事ややりとりを美月ちゃんに話した。

…泣いた理由は情けない上しょうもないから秘密で。

すると美月ちゃんは短くそれだけ言って、眉を下げて笑った。



「てかそれってさあ…、」

「ん?」

「…あー…まあいいや!うん、元に戻れて良かったねっ」

「うんっ」



嬉しくて思いっきり笑うと美月ちゃんにぐりぐりと頭を撫でられた。

というか掻き回された。



「あああっ髪がぐちゃぐちゃに!」



慌てて手櫛で髪を戻す私をなんだか微笑ましげに見てくる。

うっ、こんな風に見られると照れるかも…。

と勝手になんだか気まずくて目を逸らした時、誰かが後ろから私の髪をすくって。



「うわー髪の毛ぐちゃぐちゃじゃん!どうしたのこれ」



そう明るい声でいいながら掬った私の髪を梳いたのは、桜田くんだった。




 
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