baby love
そしてやってきた放課後。
終礼を終えるとすぐやってきた桜田くんと、私は周りから好奇の目で見られながら学校を出た。
「あ、私の家こっちなんだけど…」
「ん、大丈夫。俺もそっち」
なんとなくじゃあばいばいってならないかな?って期待したけど駄目だった。
だってこんな2人で居て、つまんないとか思われたらショックすぎる…!
それだったら近からずな距離で時々勝手に幸せ気分を味わうだけで十分だったんだけど。
……うう、なに話そう…。
「こっちは人少ないからいいよな」
「!あ…そだね。ほとんどの子はこっちとは逆のとこに住んでるみたいだから…」
「まぁこっち方面は何にもねーもんなあ」
「ちょっと不便だよね。けど私は、静かで好きだよ」
言うと桜田くんはちらりと私を見てからまた目を逸らして、「そか」と呟いた。
そして訪れる沈黙。
「……………」
「……………」
き、気まずいっ…!