baby love


「白木さん何も書いてねーじゃん!俺よりひどいよ!」



桜田くんは笑いながら、そう言った。

そこで私はハッとする。

桜田くんの後ろ姿に夢中で板書するの忘れてたんだ。

ついでに桜田くんの大きな声に慌てて周りを見れば、周りも同じように数人で問題を解こうとしているようで騒がしくて安心した。



「ボーッとしてたの?」

「あ、う、うん…」

「白木さんしっかりしてるように見えんのになー、意外に天然サン?」

「そういうわけじゃない、けど…」



ああああ!

満足に話せない自分に苛々する。

こんなんじゃ桜田くんも話しててちっとも楽しくないだろうな…。



「とりあえずさ、一緒に解こうよ」

「………え?」

「あっ今どこの問題か分かる?えーとな…」



…ってちょちょちょっと待って!

今誘われた?

問題解くの誘われた?



「………っっ!」



すごく嬉しい…!!




 
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