Self-indulgent.go.go!
あたしの小さな呟きとごろりと落ちた音など、梓さんの耳には届いていないに違いない。
今、彼女の鼓膜を刺激し脳内を占領しているのは、ラブ&ピースなビートルズなのだから。


「首、もげちゃったよ。」

「あっそう。」


紫煙を一吐きして、興味なさげに応える。
もう後部座席はべっとりと赤塗れだ。
梓さんにしてみたら、それこそ今更な話なのだろうと納得した。

ごろごろと下を転がる頭部を掴もうと、シートベルトを外して後ろへと体を捻る。


「汚るから、手袋しなさいよ。」


梓さんに渡されたビニール手袋を着け、手探りでそれを探した。
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