B L A S T
結局イツキたちは駐車場で待ってもらうことにして、楓一人病院に向かった。
車を出る際、タクマとカズも誘ったけれど、
「オレらも遠慮しとくよ」
とイツキを気にしてか断られてしまった。
三階で、エレベーターの扉が開く。
相変わらず左奥のソファーではいかつい顔をした男二人がどっしりと腰掛けている。
「おはようございます!」
彼らは楓の顔を見るなり立ち上がって頭を下げた。
慣れたとはいえ、やっぱり落ち着かない。
「お、おはようございます!」
負けじと頭を深く下げていると302号室の扉が勢いよく開いた。
「あ…」
「あ?」
中から出てきたのはガヤだ。
気まずい沈黙が流れる。
やがてガヤは眉をひそめて言った。
「ここで何してんだ」
楓は首をすくめる。
「…なにって純平くんのお見舞いに」
チッ、と舌打ちが鳴った。
また怒られる!?
思わず身構えたけれど、ガヤが次に起こした行動は意外なものだった。