B L A S T

ジュンの言うとおりだ。

あのネックレスが彼らの絆を繋いでくれる。

今はあたしも彼らを信じていよう。


「これがどうかしたか?」

「あっいえなんでもないです」


窓の景色が流れる車内、楓は慌ててイツキのネックレスから目をそらした。

イツキが首を傾げる。

そしてぽつり、と一言。


「欲しいのか」


えっ、と楓は耳を疑った。

どうやらあたしは物欲しそうな顔をしていたらしい。

そんなつもりはないのに。

イツキはGパンのポケットからなにやら取り出すと、それを楓に手渡した。


「やるよ。修理のついでに作った」


チャリ、と金属が重なる音がした。

それは小さな星をモチーフにした銀色のネックレス。

まさか作ってくれると思わなかった楓は感動のあまり言葉が出ない。


「貸して」


そう言って、イツキはネックレスを楓の首に巻いた。

かすかに触れる指先のぬくもりにまた鼓動が高鳴る。


「よく似合ってる」


とイツキは優しく笑みを浮かべた。


「あ、ありがとうございます」


胸元に優しく光る星。

あの時、高台の公園で見たどんな星よりもきらきらと瞬いて見える。

ジュンの言うガヤとイツキの強い絆とまではいかなくても、

まるで自分もその一員になれたみたいで

楓は嬉しかった。
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