B L A S T
三日前だっただろうか。
イツキが解散宣言したにも関わらず、今も残っているメンバーに聞いたことがあった。
――どうしてイツキさんについていこうと思ったんですか?
バスケットボールを交互に行き来させながら、彼らは即座に答えた。
――イツキさんがいいからですよ。
聞けば、メンバーは高校を中退している人がほとんどだ。
理由は様々。
人間関係がうまくいなかったり家庭の事情で辞めざるを得なかったりと確かテツもそんな理由だった。
一時期死にたいと思ったときもあったと笑って話すテツに、楓はかける言葉が見つからなかった。
そんな時、行き場をなくした彼らを快くメンバーに招き入れてくれたのがイツキだ。
バイクや車。
彼らにとってそれらは生きる希望となり、風を感じて走ることがこんなにも楽しいことなのだと知った。
その日から目の前が明るくなったそうだ。
イツキのおかげで。
――イツキさんはオレらの命の恩人なんスよ。
だからオレら、一生イツキさんについていくッス!
と大きな笑い声をあげた彼らの表情は明るい希望に満ちあふれていた。