B L A S T

はっ、と目が覚める。

カーテンの隙間から漏れる太陽の光が眩しい。

雀の鳴く声が聞こえた。


――夢、か。


楓は髪を掻きあげ、鏡の前に立った。

頬に涙の跡がある。

よっぽどあの夢が怖かったのか泣いてしまったみたいだ。


「夢でよかった…」


チャリッ、と金属音が響く。

胸元で星型のネックレスが輝いていた。

イツキからもらったそれは寝ているときもずっと肌身離さず、身につけている。

ぎゅっと握りしめると、なんだか落ち着くからだ。

時計を見上げると針は正午を差していた。

今日は日曜日。

どうしようか。


――あんたには関係ない。


ふと、昨夜のことを思い出してしまった。

イツキに冷たく突き放されてしまった以上、BLASTのところに行くのは抵抗がある。

"風神"と決闘の日は来週の日曜日なのに。

いまだにメンバーと連絡はつかずイツキがBLASTに戻ってくる可能性は限りなく低いし、今のあたしにはどうすることもできない。

はあ、と楓はため息を吐いた。
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