B L A S T

「これを見たとき、すぐに楓さんだって分かったよ」

「す、すごいね」


楓はなぜか感心してしまった。

BLASTの人気もそうだけど最近のネットワークは本当にすごい。

言葉が出ないでいると、楓ははっと我に返った。

ここまで噂が広まっているということは当然知ってるはず。


「ねえ、もしかしてガヤも知ってる?」

「もちろん知ってるよ」


楓の不安をよそに、ジュンはあっけらかんと答えた。

やっぱりな、と肩を落とす。


「ガヤ。なにか言ってた?」


聞くまでもないことは知っている。


「むちゃくちゃ怒ってた」

「ですよね」

「"あのバカはなにをバカなことしてんだ"ってバカバカ連呼してたよ」

「あはは…」


予想していた言葉に力なく笑った。

バカ言われ過ぎて本当にバカになりそう。


「でも心配もしてたよ」


とジュンが付け加えた。

それを聞いて、楓は申し訳なさそうにうつむく。


「そっか…」
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