B L A S T
足音が近づいてくる気配がした。
振り返ると、男らはすぐ後ろまで来ており楓をじっと見下ろしている。
鼻まで覆い隠したパンダナの骸骨がなんとも不気味だ。
楓は男らを睨みつける。
「あんたたち、誰よ」
先頭の男が目を細めて首を傾げた。
「それは答えられねえな」
「あたしに何の用?」
「そう怒んなよ。オレらはあんたを連れてくるよう上から命令されただけでさ」
「だから誰に―――」
突然、背後から布のようなもので口元をおさえられた。
――やだ!誰か助けて!
必死に抵抗するも男の力に叶うはずがなく、だんだんと意識が遠のいていく。
体の力が抜けていくのを感じながら、男らの笑い声を聞いた。
「悪く思うなよ。女」
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