B L A S T
目が覚めてから何時間が立ったのだろう。
ここは時計もないから何時かも分からない。
この暗闇の中で一人じっとしていると気が狂いそうだ。
ちょっとしたら上が来ると言っておきながらあれからそんな気配はまったく感じられない。
「女、メシだ」
やがて扉が開いたと思ったらコンビニの袋に入ったお弁当を無造作に投げられ、そのまま閉められてしまった。
あたしは犬か、と突っ込みたくなる。
それでも人間というのは不思議なものでお腹は減る。
コンビニの袋を開けると大好きなお赤飯が入っていた。
なんでお赤飯なんだろう。
全然めでたくもないのに。
でも何だかかんだ文句を言いつつもお腹が減っているから仕方なくそれを口にする。
あの扉が開くのはこれで二度目で、一度目もご飯だと言ってお弁当をよこしてきた。
逃げるならその隙を狙うしかない。
最初はトイレに行きたいふりをして外に出る作戦も考えたけれど、よく見たら部屋の中にトイレがあることを知って、その作戦はもろくも崩れ去ってしまった。
だから扉が開くのは骸骨男がお弁当を持ってきたときだけだ。
ほんの一瞬だけど、それしか逃げ出す方法はなかった。