B L A S T
イツキは窓の外に目を移した。
一息吐いた煙は灰色に濁っている。
「いや、偶然じゃない」
と彼は呟いた。
それからゆっくりと手を差しのばす。
「ケータイ。貸せ」
タクマとカズが揃って勢いよく振り返る。
「おい、イツキ」
「てことは…」
イツキはこくり、と小さく頷いた。
「ナメられたままじゃ終われない。BLAST解散はしばらくお預けだ」
「えっ!?」
突然の展開に楓は驚いた。
「っしゃ!そう来なくっちゃ」
タクマからケータイを受け取ったイツキはそれをおもむろに耳に当てる。
「数を集めろ。今夜中にだ」
たった、一言。
その一言で通話は切れた。