B L A S T
Act.17

月夜の河川敷。

しん、と辺りが静まり返っている。

楓は小刻みに震える手を見つめた。

あたしは何をしたんだろうか。

自分のしたことなのに頭がついていかない。

砂利を踏む音がした。

見上げると"風神"メンバーの鋭い視線が全身に突き刺さる。

全員が敵意剥き出しの表情だ。

そこでやっと我に返り、青ざめた。

目の前で倒れていたセイジがゆっくりと起き上がり、その顔は鼻血で血まみれになっていた。

緊迫とした空気が流れる。


「イツキさん…。ガヤ…」


楓は恐る恐る振り返った。


「嘘だろ…」


ガヤがぽつりと呟く。

イツキも呆然として目を丸くしていた。

えへへ、と楓は苦笑いを浮かべる。


「あたし…またやっちゃったみたい」


地面が揺れる。

セイジが叫んだ。


「あの女をブッ殺せ!!」
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