B L A S T

チャリッ、と胸元のネックレスが揺れた。

イツキが作ってくれた星屑が銀色に光る。


――恋は突っ走るものだよ。頑張りなさい。


今は何をどう突っ走ればいいのか分からない。

突っ走ることで何かが壊れてしまうのではないかと不安で仕方がなかった。

それに、あの言葉。


――楓のこと、ちゃんと大事にしろよ。


楓は二つだけ考えられることがあった。

一つはイツキがまだあたしとガヤが付き合っていると思っているのではないかということ。

ずっと前に否定したはずだったが、もしかしたら信じていないのかもしれない。

そして、もう一つは楓が一番考えたくないことだった。

だけどその可能性は限りなく高い。

もしかしたら彼には。


「あれって一兄じゃない?」


えっ、と楓は起き上がった。


「ほら、あそこに立ってる」


ジュンの指差した方向に目をやると、そこには確かにイツキの姿があった。

彼もジュンの見舞いに来たのだろうか。

イツキさん、と呼びかけようとして止まった。


「誰だろう、あの子」


太陽の光に反射して小さな噴水に虹色の橋がかかっている。

そのそばにイツキと、そして見たことのない女の子が立っていた。

多分、あたしと同じ年ぐらいだろうか。

苺色のショートボブ。

華奢で守ってあげたくなるような小柄なその女の子はミニスカートのワンピースがよく似合っている。

笑うと浮かぶ小さなえくぼが可愛らしかった。
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