B L A S T
「楓」
出入り口に差し掛かったところで振り返るとガヤが手元にコンビニの袋を提げて立っていた。
「お前らどこ行ってたんだよ。探してたんだぞ。せっかくこの俺が昼飯買ってきてやってんのに。ちゃんと留守番してろって言ったろ」
眉間にしわを寄せたその表情は不機嫌だ。
「…ごめん、ちょっと散歩してた」
ガヤはため息を一つ吐くと、今度は辺りをきょろきょろと見渡した。
「あれ、ジュンは?」
楓は少し間を置いて答えた。
「…まだ外」
さっきの光景が脳裏を過ぎる。
ちくちくと胸の痛みはおさまらない。
「ふうん…」
するとガヤが怪訝そうに顔をしかめ、こちらをじっと見つめてくる。
あまりに顔を近づけてくるものだから楓は戸惑って後退りをした。
「な、なに」
「お前、なんかあった?」
思わずどきり、とした。
「…なんで」
「面がおかしい」
「な、何それ。顔がおかしいなんていつものことじゃん。どうせ相変わらずブスだって言いたいんでしょ」
「違えよ。なんかあったのかって聞いてんだよ」
「別になんでもないってば!」
楓は慌てて顔を隠すようにうつむいた。
ガヤって結構鋭い。
さすが幼なじみだけあるななんて感心していたら、突然肩を掴まれた。
驚いてガヤを見上げる。