B L A S T
楓は押し黙る。
図星を言い当てられ戸惑っていると、ガヤは軽くため息を吐いた。
「分かりやすいやつだな、お前は」
そう言って立ち上がると楓の顔を覗き込んだ。
「んな泣きそうな面してんじゃねえよ」
――ねえ、イツキ。
本当はあなたを忘れてしまいたかった。
一緒に過ごした日々も
あなたの温もりも
優しさも。
すべて忘れられることができたなら
きっと今のあたしは泣いていなかった。
でもね。
でもね、イツキ。
やっぱりあたしは
あなたのことを
忘れることなんかできないよ。
きっと
この先もずっと…
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