B L A S T

「んだよそれ…」


ガヤは眉をひそめる。


「"お前には関係ない"の一点張りじゃねえか。お前おれをばかにしてんのか」

「ガヤ!」


イツキの胸ぐらを掴もうとしたガヤの手を慌てて止めた。


「もうやめなよ…。イツキさんだってイツキさんなりの事情があると思うし、そうやってねほりはほり聞くのはどうかと思うよ」

「でもよ、楓…」

「いいから。もう帰ろ」


ガヤは納得のいかない様子だったけれど、楓は気にせずイツキに一言謝った。


「ごめんなさい。イツキさん」

「…いや。楓が謝ることじゃない」


楓は少し間を置いてから切り出した。


「あの、」

「ん」

「今度の日曜日って集会があるんですよね。あたしも行っていいですか?」

「あっ僕も行きたい!」


それまで暗かったジュンの表情がとたんに明るくなる。

すかさずイツキが釘を刺した。


「お前はだめだ。ついこないだ外出許可とったばかりだろ」

「ちぇ、一兄のケチ」


イツキはふてくされるジュンを無視して楓に目を向ける。


「来てもいいが、集会といってもただの話し合いだからつまんねえぞ」

「平気です。ちゃんと隅で大人しくしてますので」

「…分かった。じゃあ――」


イツキはガヤに目配せをした。

ガヤはその意図が分かったらしく、


「おれがこいつ迎えに行く」


と答えた。

イツキは少し微笑む。


「頼む。そういうことでいいな楓」

「はい!ありがとうございます」
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