B L A S T
Act.24
世の中には決して開けてはいけないパンドラの箱がある。
翌朝、寝ぼけた目を擦りながらタクマは校門に向かった。
あの中傷の手紙が来てからなにか起きたときのためにテツと一緒にプレハブで寝泊まりをしている。
布団も引かずに床下で寝ていたせいか体の節々が痛い。
校門に着くと、その脇にBLAST専用に作った赤いポストがある。
朝刊を取りに行くのがオレの日課なのだが、中傷の手紙もそのポストに入っていた。
相変わらずセイジの動きは掴めていない。
自宅にも戻っていないらしく、今は居場所を特定するのに一苦労だ。
「…ったく。どこにいんだよ、セイジの野郎」
ぶつぶつと呟きながら赤いポストを開けると、新聞の他に茶封筒が入っていることに気付く。
「ンだ、これ」
嫌な胸騒ぎがした。
――ブラスト死ネ。
あの手紙とまるで同じ封筒だ。
おれは急いで中身を確認してみる。
と同時に目を見開いた。
「ンだよッ、これ!」
入っていたのは数枚の写真。
どの写真も同じ場所で、すべて顔を傷だらけにしたカズが写っていた。