B L A S T
Act.27

「どうしてガヤがここにいるの」

「それはこっちの台詞だ。なんでお前がここにいるんだ」


ガヤは目を大きく開いて、まるで信じられないものを見るようだった。

驚いたのはこっちもだ。

ここに来たらイツキのことが分かる。

ジュンにそう言われて渡されたメモを頼りに来たのに、そこにあったのは目の前の雑居ビルと、なぜかガヤの姿だった。


「おい」


気が付くとガヤが後ろにあった電信柱の近くでしゃがんでいる。

よく見るとその手にさっきまで楓が持っていたブルーのメモ用紙があった。


「あ、それは…」

「これ、誰が書いた」


ふいに飛び込んできた低い声。

ガヤは楓をゆっくりと見上げる。

その表情はいつになく険しかった。


「誰が書いたって聞いてんだ。答えろ」

「…それは」


どうしよう。

本当のことを言っていいのだろうか。

ガヤは本気で怒っている。


「楓」


ええい。この際だ。

どうせガヤに怒られるのを覚悟でここまで来たんだ。


「じ、純平くん…」


と小さく答えた。


「ジュンが書いたのか」

「…うん」

「あいつ…」


そう言ってガヤはメモをくしゃくしゃにして丸めた。
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