B L A S T
「着いたぞ」
楓はヘルメットを取って、あっと驚いた。
着いた場所はジュンが入院している病院だったからだ。
ーーもしかして。
楓は慌ててガヤを引き止める。
「ガヤ。ちょっと…純平くんは悪くないんだからね!お願いだから喧嘩しないでよ」
「分かってる」
本当に分かってるのだろうか。
楓は不安を隠せない。
そしてジュンの病室が見えてくると、ガヤはそのドアを勢いよく開けた。
「おい、てめえ。ジュン!ふざけんじゃねえぞ!」
ぎょっとした。
ーー全然分かってないじゃん!
いきなりで驚いたのかジュンは食べていたメロンパンを喉に詰まらせ、ゴホゴホと咳き込んでいた。
そんなこともお構いなしにガヤはジュンに詰め寄る。
「お前、やっぱり知ってたんだな。知ってたんなら何でおれに言わねえんだ!」
「ちょっ、急にどうしたの。彬兄。話が全然見えないんだけど」
「だからイツキのことだよ!」
「えっ…」
「お前が楓に教えたんだろ!」
ガヤがポケットの中からくしゃくしゃになったブルーのメモ用紙を差し出すと、ジュンはあっと声を漏らした。
それからやっと状況を理解したのか、彼は小さく俯いた。
「ごめんね、純平くん。ガヤにばれちゃった…」
「ううん。楓さんのせいじゃないよ!悪いのは勝手に教えた僕だから」
ジュンは続けた。「それで…」
「一兄のこと、何か分かった…?」