B L A S T
気が付いたら扉をとっさに開けていた。
ガヤとジュンが驚いて揃ってこっちを見る。
ジュンの目は真っ赤だった。
「…どういうこと?死ぬって、誰が」
「楓、廊下で待ってろって言ったろ」
「お願いだからもうはぐらかさないで。あたしは本当のことが知りたいの」
「……」ガヤは俯いた。
「ガヤ」
長い、間。
やがてガヤは呟くように言った。「楓」
「お前、どうしてあのビルに行った」
楓は答えた。
「…イツキさんのことが知りたかったから」
ため息が聞こえたのはそれから少しした後だ。
「じゃあ覚悟はできてんだな」
「覚悟…」
思わず身構える。
やっぱり覚悟しなきゃいけないことなのだろうか。
だけどここまで来たからにはもう引き下がれない。
楓は静かに頷いた。