B L A S T

イツキが半年しか生きられないことを知って、楓は今までのことを思い出していた。

いつかの公園で見せたあの愁いのある瞳。

イツキの言動全てがやっと一致した感じがして、楓はどうしてもっと早く気付いてあげられなかったのだろうかと悔やんだ。

もっと早く知っていたら。

もっと彼のことをよく見るべきだった。

窓から空を見上げると、雨雲に覆われて月も星も見えない。


ーーそれじゃあ今もし流れ星見たら、願い事なににします?


そういえば、あたしは彼にそんなことを聞いたことがあった。


ーー…願い事か。


彼は答えなかったけれど、ただ静かに星空を見上げていたその横顔を思い出すだけで、胸が強く締めつけられる。

もし流れ星が見られるとしたなら、イツキは何を願うつもりだったのだろうか。
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