B L A S T
「それで…あなたはどうするの」
いつの間に雨は止んだのか、辺りは静寂に包まれていた。
由希の声がやけに響く。
「本当のことを知って、あなたはこれからどうするの?」
楓は俯き、答えられないでいた。
本当のことを知ったからといってイツキに対する気持ちは変わっていない。
でも改めて聞かれると、言葉に詰まってしまう自分がどこかにいた。
あたしは一体、これからどうしたいのだろう。
見兼ねた由希がふう、とまたため息を吐いた。
「あなた、お兄ちゃんのこと好きなんでしょう」
少しの間を置いて、楓は頷く。
「だからそんなに目を腫らしてまで泣いたんでしょう」
また、頷く。
「じゃあ答えはもう見えてるんじゃないの?」
えっ、と楓は顔を上げた。
由希の大きな瞳があたしを真っ直ぐ捉えている。