B L A S T
おれははっとした。
今は安心している場合じゃない。
これ以上、イツキの体に負担をかけちゃいけねえんだ。
「おい、タクマ!テツ!」
おれは急いで片隅で縮こまっていた二人に命じた。
「今すぐカズとイツキを連れて逃げろ!早くするんだ!」
えっ、とタクマが眉をひそめる。
「カズはともかく、イツキもかよ?」
当然、事情を知らない二人は戸惑っていた。
だが今は説明している時間はない。
「いいから早くしろ!詳しいことは後で話す!」
「おい彬。どういうことだ」
「ぼーっとしてねえで早くしやがれ!」
「おい、彬!」
イツキがおれの肩を半ば強引に引き寄せる。
「話が違うぞ。おれはセイジと決着をつけると言ったはずだ」
低い声でおれを睨みつけるその顔は機嫌が悪い。
「イツキ。よく聞けよ」
だが今のおれはもう引き下がるつもりはさらさらねえ。
引き下がったところでイツキのためにならねえことが分かったからだ。