B L A S T
Act.31

沈黙が漂う。


「…んだと?てめえ、今何つった」


おれは肩を震わせながら、イツキを睨みつけた。

ふう、とため息を漏らすイツキ。


「お前にセイジは倒せない。そう言ったんだ」


その言い草にかちんと来たおれはイツキの胸倉を掴み、声を荒げた。


「聞き捨てならねえな。なんでてめえにそんなこと言われなきゃなんねえんだ!何様だ、てめえ!」

「お、おい。藤ヶ谷!今はそんなことで喧嘩してる場合じゃねえだろ」


とタクマ。


「そうスよ、藤ヶ谷さん!ひとまず冷静になりましょう」


それからテツまで間に割り込んできた。


「冷静だあ?あんなこと言われて冷静でいられるかよ!」


するとイツキはふっ、と鼻で笑った。

もちろんおれはそれを見逃さない。


「…てめえ、何がおかしい」


イツキは口元に笑みを浮かべたまま答えた。


「そうやってすぐ熱くなるお前だから、だから任せられないんだよ」

「ーーッ…!!」
< 342 / 398 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop