B L A S T
ゆらゆらと目の前が揺れる。
ここは、どこだろう。
見たことのない花畑が全面に広がっている。
とても綺麗な、花。
その黄色い色をした花は何という花なのだろう。
あたしはしゃがんで、その花の一つを摘みあげた。
甘い香り。
持って帰ろうかな。
リビングに飾っておくのもいい。
江原先生にプレゼントしたら喜ぶかも。
あたしは浮き浮きしながら立ち上がる。
…でもどうしよう。
周りを見渡しても花畑だけが風に揺られている。
家に帰る道が分からない。
しばらく歩いていると、やがて大きな川に辿り着いた。
どこか濁ったその川の向こうに人影が見える。
天の助け。
あの人に聞けば何かわかるかも。
すみません、とあたしはその人に声をかけようとした。