B L A S T


強い風が、吹いた。




そうだ。

あれは確か。




「…あ」




あたしは川を引き返す。

そしてどこへ続いているかもわからない道を走った。




ねえ。

それはあたしの台詞だよ。





置いていかないで。





あたしを、独りにしないで。







そうだ、あの声は。


あたしは彼の名を呼んだ。










「イツキ」









目の前が真っ白に光った。

その光に吸い寄せられるようにあたしは走り続けた。













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