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「ケジメ?」

「そうかもしれねえな」


タクマが腕を組みながらカズのケジメという言葉に納得していた。


「嬢ちゃんには分からねえかもしれねえけどさ、男にはケジメってものをつけなきゃいけねえ時があるんだよ。イツキにとってそれが今ってわけだ」

「でも一兄の体は喧嘩できる体じゃないんだよね。なのになんで彬兄が受ける気になったのか僕分からない。何も喧嘩することないのに」


楓はジュンに激しく同感だ。

別に今じゃなくたっていいのにと思う。


「まだまだ甘ちゃんだなあ、ジュンは。オレらの世界に常識なんてものは通用しねえって分かってんだろ」


タクマはぎゅっと手を握って言った。


「拳を交わすことに意味があるんだよ」

「あっそれ…」


その言葉は聞いたことがあった。

ふっとタクマが口端を上げる。


「そう。藤ヶ谷の口癖。だからあいつは受けたんだ」



歓声が上がった。

メンバーが囲んでいる中央にガヤとイツキの姿が現れたのだ。

二人共タンクトップとジーンズという出で立ちの戦闘態勢万全で、その表情は険しかった。
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