B L A S T
プップー、とクラクションが鳴る。
ガヤが呼んでいる。
たぶん早く来い、というところだろう。
「それじゃお騒がせしてすみませんでした」
イツキに目を向けると、彼は小さく頷いた。
「あいつによろしく言っておいて」
チャリッ、と金属の重なる音がした。
楓は目を疑う。
ライトの光で照らし出された彼の首筋に、制服には不釣り合いな昇り竜のタトゥー。
そして王冠の形をしたネックレスが妖しく光っていた。