B L A S T
「やっぱり負い目を感じてるんですか」
黒々とした瞳と視線が合う。
「…負い目?」
「タクマさんとカズさんから、純平くんの事件のこと聞きました。イツキさんは純平くんを止めなかったことを後悔してるんですか?」
自分でも単刀直入だと思った。
でも聞いてしまった以上はもう引き下がれない。
じっと答えを待っていると、イツキは困ったように眉をしかめた。
きっと厚かましい女だと思っていることだろう。
「――ったくあいつらはおしゃべりだな」
やがて観念したようにイツキが肩で息を吐いた。
「ごめんなさい。でも純平くんはきっとイツキさんが会いに来てくれるのを待っていると思うんです。昔に戻りたいって話してました。タクマさんもカズさんも」
「あいつらがそんなこと言ったのか」
「はい」
「……」
「純平くんとは一年以上も会っていないそうですね。やっぱりあの事件のことを気にしているからですか?」
「いや事件のことは関係ない」
彼は首を左右に振って、きっぱりと否定した。
「あっガヤのことだったらあたしがなんとか説得しますから。ガヤだって意地張ってるだけで言えばきっと納得してくれますよ」
「そうじゃない」
頑なな態度に楓は首を傾げる。
「じゃあどうして」
「…今はジュンと顔を合わせづらい」
とイツキはため息交じりに言った。
「今ジュンに会ったらなに言われるか分かってる。それが少し面倒なだけだ」
「面倒?」
「ああ」