B L A S T
あの場所とは、BLASTのアジトのことを言っているのだろう。
楓は金槌で頭を打たれたような気分だった。
優しくしてくれたかと思えば、今度は冷たく突き放す。
公園で見た星空は幻だったのではないかと思わせるぐらいに彼の言葉は残酷だ。
分かっている。
イツキにとって
あたしは―――――――――――――――――――――――――――――――。
「――で何してんだッ!てめえ!」
ふと、目の前で黒い人影が揺れた。
あっと驚く間もなく、一瞬にしてイツキが地面に叩きつけられた。
降りかかってきた拳をぎりぎりのところで避ける。
コンクリートに当たる鈍い音が響いた。
「…よう、久しぶり」
物怖じもせずに口元に笑みさえ浮かべるイツキの上に乗りかかるようにして前のめりになっているのは、
「そのにやけた面やめねえか。反吐が出る」
―――――ガヤ。
鬼のような形相をしたガヤがそこにいた。