B L A S T
「急にどうしたの?」
「なんか申し訳なくて。だってあのバカガヤのせいでBLASTに会えないわけでしょ。それってどう考えてもおかしいじゃん。だからあたしが純平くんのためになにかできることないかなって思って」
「…でも僕はBLASTを裏切ったようなものだし」
ジュンはうなだれる。
周囲の反対を押し切ってWAVEに入ったことをいまだに気にしているらしい。
「大丈夫だよ。タクマさんもカズさんも純平くんに戻ってきてほしいみたいだったから」
その証拠が彼らから手渡された手紙だ。
とたんに、ジュンは目を輝かせた。
「本当に?」
「うん」
えへへ、と嬉しそうに笑みをこぼすジュンの顔を見ていると、本当にBLASTが好きなんだなと思う。
彼のためにもあたしが頑張らないと。
ガヤなんかに負けてたまるか!
なんだか妙な闘争心が沸いてきた。
「あっそうだ」
ジュンは思い出したように戸棚の引き出しを開けた。
取り出したのは、王冠の形をしたあのネックレス。