B L A S T
「このネックレスの鎖外れちゃったんだ。一兄に直してくれるように頼んでくれるかな」
「イツキさんに?」
「うん、これ一兄が作ったんだよ。すごい器用でしょ」
「へえ、すごいね」
巧妙に細工された王冠はとても手作りと思えない。
イツキの器用さに感心していると、はっと我にかえる。
昨晩の言葉が脳裏を過ぎった。
――あの場所はあんたがくるところじゃない。
このネックレスをイツキのところへ持っていこうにも、彼にもう来るなと言われている。
さてどうしたものか。
しばらく悩んでいたら、
「楓さん、もしダメなら無理しなくてもいいからね」
心配そうに眉を寄せるジュンがいじらしく、痛まれなくなった楓はすぐさま心を決めた。
「ううん大丈夫!あたしに任せて!」